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東京旅行記

丁度二週間前、東京旅行に行ってきました。

ブリヂストン美術館『画家の目・彫刻家の手』
森美術館『森美術館10周年記念展 アンディ・ウォーホル展:永遠の15分』

上記の展覧会をめぐる旅でした。旅行中に書いたバラバラの文章を無理矢理まとめた旅行記みたいなものです。











2014/04/10

自分はアールヌーヴォーが好きだ。アールデコが好きだ。バウハウスが好きで、キュビズムが好きで、ポップアートも好きだ。
いわゆる近代アートが好きなんだと思う。でも20世紀のアートが今でも"近代"と言えるのか疑わしい。

とは思いつつも、そんな『近代アートの巨匠』と言われているアンディ・ウォーフォルの展覧会が国内でやっていると聞いて、行かない訳にいかないように思った。
国内でも、遠方なら今までいくらでも諦めてきたのに(以前東京で開かれたリヒテンシュタイン侯コレクションの展覧会や、フェルメール展もすっごく行きたかった)、こんなに行きたくて行きたくて堪らなくなるのは初めてだった。

でもそうなると一人旅になるし、東京は生き馬の目を抜くおっかねぇ所だって田舎のばっちゃが言ってたべ......云々。正直、今回も諦めかけていた。
でも、もしかしたらもう国内でこんなに大きなウォーフォル展はやらないかもしれない、という危機感・生まれて初めての一人旅という魅力・加えて、ツイッターで懇意にさせて頂いているいずみかん氏と会える事になって、あっさり東京旅行を決めてしまった。
直前までの迷いは一体何だったのか、フリか。多分そうだ。

「春夏冬の某大型同人イベントで上京、ってならないのが意外な感じがするけど、楽しんで行っておいで」

そんな母の言葉に苦笑しつつ、キャリーケースを借りた。そして美術館の図録と、ガンダムカフェでお土産を買うよう頼まれた。

旅支度をしていたら、猫に「普段出無精のお前がこんな大荷物で何処に行く気だ」とばかりに不機嫌な態度を取られたり、
置き土産に配布物だけ準備してたら寝不足気味になったり、
当日の朝はコンタクトレンズを反対に入れたりして、
なんだかんだで出掛けるのは時間ギリギリに。何やってるもんだか......。

電車で空港に向かう途中、にわか雨が雪に変わって、家出る時に雨降ってなくて本当によかったなぁと思いつつ、
「こんな天気なのに、東京は今日今年初の夏日の予報が出てるなんて、嘘に決まってる」
と思ったけどやっぱり嘘じゃなかった、というのは数時間後身を以って知るハメになる。やはりフリだった。

出発の空港では迷いました。広い。天井高い。天井の鉄骨かっこいいなぁフルポリ頂点いくつかなとぼんやりしつつ搭乗。考えてみれば、飛行機に乗るのは高校の修学旅行以来。搭乗手続き時に窓側が空いていると勧められ座席変更。窓から景色を眺めつつ、耳が痛くならないよう細心の注意を払ったつもりだったのに、やっぱり痛くなった。
なので、emaのど飴で難を凌ぐ事にした。ありがとう佐和山主従(のパッケージの飴)。

ほどなく離陸して、雲の中に飛行機が入って、見渡す限りの雲海を見下ろしつつ、機内雑誌を拝読。特集が「NYの個人経営の本屋」的なもので、興味深く読ませてもらった。
でも寝不足が祟ったのか、読了後うっかり寝てしまって、東京着陸の瞬間を見逃しました。気が付いたら海が見えました。
やっちまった! そういえば電子機器電源オンにしていいって言われた時に写真撮り忘れた! ていうか滑走路の緑地にタンポポ咲いてる! 敷地内の桜が散り始めて葉が出てる! やべぇめっちゃ春!
感動しました。東京って南国だったんですね。
ゲーテがイタリアに行ってエンジョイしまくってた理由が分かった気がしました。そりゃそうだ、北緯が違うんだから。

とにかく、無事東京に到着。はじめまして関東大平野!
ぽかぽか日和の昼下がりな時間帯に到着したので、とりあえず腹ごしらえしようと思い、空港内の丸福珈琲店でホットケーキを注文。
(実は数日前、某御仁がツイッターでこの喫茶店の事を呟いていたので、旅行中に見かけたら入店しようと思っていたのです。一つ目的を達成しました。)
ホットケーキは昔ながらの~という商品紹介コピー通り、表面さっくり・中身ふんわりで美味しかった。多分卵がたくさん入ってて、それでふんわり膨らませてる感じ。蜂蜜を掛けていただきました。久しぶりに花の咲いてない新鮮な蜂蜜を食べた気がする。
一緒に頼んだカフェオレは苦かった。角砂糖を1つ入れる勇気はなくて、砕けて小さくなった欠片をちまちま入れて味を調整。セコイ客だなと自分でも思う。

これがコーヒー専門店の大人の味ってやつか......と思いつつ、店内の装飾や空港内の構造を眺めたり。
鉄骨剥き出しガラス張り天井って格好いいなぁ。天井高くて開放感あるなぁ、Y値どのくらいかな、頂点数どのくらいかな。喫茶店も、床とか壁とかテーブルとかカップとか素敵だなぁ。木製カウンターのツヤッとした感じってスフィアマップでどうやったら表現出来るかなぁ。やっぱり実際に見るって大事だなぁ。
とかなんとか考えてたら夕方になりそうだったので、慌てて退店。ごちそうさまでした。

羽田から東京へは地下鉄とJRを利用。乗り換えになったけど、アイフォンの地図アプリや乗換案内アプリを使ったから迷わなかった。駅員さんにも確認の為に尋ねたけど。
車窓から見た東京の街並に対する第一印象は「なんだか、変テコな街だな」だった。
住宅街かと思ったら高層マンションやオフィスビルが建っていて、かと思えばいきなり墓地や寺院があったり、小学校が忽然とあったり。
そして、小学校や中学校の屋上に緑色の金網フェンスって本当にあるんだ、とびっくりしました。少なくとも自分が通った学校・近所の学校にはなかった。
地元......もとい、試される北の大地は豪雪地帯で冬は屋上に雪が積もると決まっているし、そもそも建物内に暖房設備はあっても冷房設備はないから屋上に設置するものは決まってくるし、そうなったら子供は入る必要がないから、フェンスも何もなかった。というか、初めから立入区域として機能するような造りをしていなかった気がする。
だから、アニメ・漫画・ドラマで見るような造りの『学校の屋上』があって、あれはみんなの妄想や幻じゃなかったんだ! って感動した。
これでP4風屋上ステージが作れる......と内心ガッツポーズ。写真は撮らなかったけど、この目で見て「確かにあれは存在する」と分かっただけ収穫アリ。
ちなみに屋上ステージはフェンスをフルポリにするかテクスチャにするかで迷って止まってる。

そんな完璧な『おのぼりさん』状態で、東京駅に到着。まだまだ改修工事中な雰囲気だったけど、完成したらきっと素敵な駅になるんだろうな。
広いなー大きいなー煉瓦造りが素敵だなーと思いながら、とにかくホテルにチェックインして荷物置いてからどうするか考えよう。と思い、ホテルを目指す事に。
駅周辺の案内板と睨めっこしていたら、ブリヂストン美術館を発見。
ルート確認すると、予約したホテルも同じ方向にあると分かったので、ほぼ何も考えずにブリヂストン美術館へ向かう。
駅に着いた時点で午後3時半を過ぎていたので、キャリーをごろごろ転がしながら東京の狭い道を歩くのはなかなか大変だった。

例のキリン像を見送って、憧れのブリヂストン美術館に到着。
まさか寄れると思っていなかったので、偶然に感謝しつつ、うっかり長居してしまいました。割と閉館時間ギリギリでした。ごめんなさい。
『画家の目・彫刻家の手』というテーマで、コレクション展示がメイン。印象派~20世紀近代美術でテーマ毎に分かれて絵画と彫刻を合わせて展示、という内容だった。
個人的に、大好きな印象派時代の作品が見られて大満足。今までテレビ番組でしか見た事なかっただけに、生で見るのは感慨深かった......!
ロートレックの『ムーラン・ルージュ』の、大きなリトグラフを間近で見れて、本当に感激しました。よくポストカードや複製ポスターになっているあれは、こんなにも大きかったんだなぁ......としみじみ。
ピカソの赤の時代の作品も見られて、これもまた感動。青の時代も好きだけど、赤の時代の作品の方が好き。
彫刻では、ロダンの作品がいくつかあって、その中に考える人のミニチュア版があってまた感激。何せ現物を見るのは初めて、しかもケースに入ってない!
青銅のツヤツヤした質感とか、筋肉の造形美とかを360度見られたのをいい事に、文字通り舐め回すように鑑賞した。

それから、館内の展示ルームがまた素敵だった。迷路のようで、静かで洗練されたギャラリー。各スペース毎に革張りの椅子が二脚背中合わせに置いてあって、其処に腰かけて絵を眺めると、まるでこの展示室と絵画達が丸ごと自分のものになったようで、素敵な気分で鑑賞出来るというもの。
ミュージアムショップでは、図録とロートレックとピカソのクリアファイルを購入。美術館のギャラリーステージ作りたいなって思いながら、美術館を後にしました。ありがとうございました。

其処からホテルへ向かう道はちょっと迷子になった。
広い道かと思えば一本ずれると路地のような細い道があったり、交差点から見上げるとビルが視界を邪魔して、ああ此処はビルの谷間なんだな、と思い知らされ。
電車から俯瞰で見た時に、東京は道が真っ直ぐじゃなくて、直角に進む事が出来ない構造になってるんだな、とは思ったけど、本当にその通りだった。
試される北の開拓地は川の流れに沿って碁盤の目状になるように計画立てて開発されたので、市町村中心部なら、道のパターンさえ覚えてしまえばまず迷う事はない。直角だから、右と左を間違えたところで後戻りが可能だし、とりあえず歩いていれば何とかなる。
でも東京はそうじゃない。だから地図アプリが要るんだ、と改めて文明の利器の素晴らしさに気付かされました。おかげでホテルに辿り着いたけど、地図アプリの予定時間を大幅にオーバーしていたという。
余談ですが、歩いていて東京の街は古い水の匂いがしました。多分、埋め立てではなく街の地下を川が流れるように開発された為だと思います。地下鉄の駅は特に川の匂いが強い気がしました。

宿泊先のホテルはビジネスホテル。狭すぎず広すぎず丁度いいお部屋で、ベッドも大きかったし、枕が低反発枕か羽毛+蕎麦殻枕か選べるよう2つあって至れり尽くせりだった。
食事は元々予約に付けていなかったとはいえ、予定になかった美術館での出費の為に、途中のコンビニで夕飯と翌日の朝ご飯を買うというハメに......貧乏旅行ごっこだよ!(震え声)
そんな訳で一日目は無事終了。充実した一日でしたが、その分足がパンパンでしたとさ。








2014/04/11

昨夜、テレビで東京のローカルテレビを見てたら寝落ちるという失態をしてしまい、慌てて支度してから再び寝て、気が付いたら目覚ましをセットした時間でしたの巻。
どうやら熟睡だったらしい。「枕が変わって寝られないよぉ><」なんて繊細な神経はあいにく持ち合わせちゃいなかった。だって飛行機の中でも寝てたもん。
アプリで電車の確認をし、某朝の情報番組の料理コーナー「M●K●’S Kitchen」をちゃっかり視聴してから(これを見ないと朝を迎えた気がしない)、ホテルをチェックアウト。お世話になりました。

ホテルからすぐ出たところに地下鉄駅の入口があったので、これ幸いと其処から降りたら、目の前に改札があって、すぐ横を電車が通過してました。
こんな、階段降りて即改札! なんて駅の構造、北の大地じゃ考えられないぜ(雪が吹き込んで積もって滑りやすくなるから)......と、都会と田舎の違いに驚きつつ、料金を確認。切符を購入中も電車が3本ほど通過してたので、なんでかなと思い時刻表を見たら2~3分おきには電車が来るような構成になっていた。これにはびっくりした。完全に眠気が吹っ飛んだ。
案外ぶつからないもんなんだなぁ......どうりで「トルコ行進曲\(^o^)/オワタ」で「次の電車まで10分」が\(^o^)/になる訳だ、こんなに頻繁に電車来てたら10分が長く感じるだろうな......と妙に納得。
古いネタを例に挙げて申し訳ない、ちなみに実家の最寄JR駅は1時間に2~4本で「次の電車まで20~30分」だからまだ都会の方だと思う......多分。寧ろ地元ではJR線が通ってれば充分都会といわれているし、うん。

そんなこんなで、予定より2本早い電車に乗って、六本木に到着。駅の柱に森美術館の広告が貼ってあって、遂に来たんだ! という気分が高まってきた。
駅からヒルズは直結だったので、いずみかん氏と連絡を取りつつ、先に到着したのをいい事にスタバで六本木マグを購入。ビルの絵柄が素敵なマグ。かわいい。
ビル風の冷たさに臆して美術館チケット売場に退避し、其処で無事いずみかん氏と落ち合いました。
初対面なのに初めて会った気がしないのは、何度もネットで遣り取りしているからでしょうか? 目印になるよう服装を教えて貰っていたのですが、一目ですぐ「あ、いずみかんさんだ」と分かりました。

北の大地名物・白い●人のお土産を渡しつつ、道中の報告も兼ねてご挨拶。
「よく美術館には行くんですか?」と尋ねられて、結構好きだからちょくちょく......的な事を答えた気がするけれど(ぶっちゃけ結構緊張してて何て答えたか記憶が定かではない)、
実はそんなに美術オタクという訳ではなかったりする。いや、実は~なんて前置きするほどでもないけれど。

寧ろ母がバリバリの美術系で(最終学歴が大学の美術科)、幼い頃から美術館に連れられてて、意識して自分から進んで行くようになったのはここ数年だったりする。
映画館で映画観に行くのは億劫がるくせに、美術館に行くのは割と躊躇がない。動物園と美術館どっちがいいかと尋ねられたら迷わず美術館を選ぶ。こんな風になったのは母の情操教育の所為かもしれない。映画ならいつか地上波でやるし最悪レンタル出来るし、とか思ってしまうのがいけないのかもしれない。ちなみに動物園なら爬虫類館だけで一日潰せる(※実体験済)。
普段あまり美術館には行かない、といういずみかん氏の言葉に、完璧に自分の趣味に付き合せてしまうかもしれん......と内心ビビりつつ、いざ入場。

森美術館はヒルズの53階にある、空中美術館という感じ。
今回見た展覧会は『森美術館10周年記念展 アンディ・ウォーホル展:永遠の15分』。
永遠の15分というのは、彼の言葉の「将来、誰でも15分は世界的な有名人になれるだろう。(In the future everyone will be world-famous for 15 minutes.)」というインタビューの言葉からきているそうで。
......この言葉の後で、
「『将来、誰でも15分は世界的な有名人になれるだろう』。僕は60年代にそう予言したけど、それは既に現実になった。僕はこの言葉には飽き飽きしてるんだ。もう二度と言わない。これからはこう言う。『誰もが15分は世界的な有名人になれる、そんな時代が来るだろう』
(It’s the place where my prediction from the sixties finally came true: “In the future everyone will be famous for fifteen minutes.『 I’m bored with that line. I never use it anymore. My new line is, “In fifteen minutes everybody will be famous.』)」
と言い残したのは、また別の話。

フライヤーの「今回の展覧会はウォーフォルを知らない人にとっては入門編」というコピー通り、ウォーフォルの代表的な作品、もといステレオタイプ的な作品が多く展示されていた。
実はその前に「ぶらぶら美術館」でこの展示会の模様が放送されてたので、自分は予習をしてきている状態だったのだけど、勿論放送されない作品もある訳で。
これもあった、あれもあった、あっこれテレビで見たやつ! みたいにワクワクしながら見てました。

例のキャンベル缶のシルクスクリーンも、こんな大きな作品もあったんだなぁと感心したり。
マリリン・モンローのシルクスクリーンは地元の「大原美術館展」でも見たので、本当にたくさん作ったんだなぁ(でも色が全部違う)と思ったり。

「キャンベル缶が本当に好きなんですね」と言われて、そうですねって曖昧な返事しか出来なかった気がするのですが(緊張してて何て答えたか以下略)、
言われて、そういえば自分は、この展覧会を見て、なんでウォーフォルがこんなに気になるのか答えを出す為に来たんだった、と思い出しました。尋ねられて漸く思い出す時点で、目的を見失うほど舞い上がってるというのも問題な気がしますが......。
ウォーフォルの選ぶ色が好きだし、普通に手書きした線も好きだし、彼の目の付け所が好きだし。
そして振り払いようもなく付き纏うウォーフォルの中の『しょうもなさ』や『無意味さ』が好きだ。

極端な言い方をすれば、ウォーフォルは「コピペ大魔神」である。既存のものから作品を作る、しかも量産するから製作を外注したりする。彼自らが手を加えていない作品なんてざらにある。
寧ろ、彼がちゃんと絵筆を持って描いた作品なんて『ウォーフォルの代表作』扱いをされていない気がする。

もう何処で見聞きした言葉なのか忘れたけど、自分が高校生の時分に出会った言葉に、
「小説家というのは商業ラインに乗ってようが自費出版で書いてようがネットで公開してようが、本人がそう言ってしまえば誰でもなれる自称可能な職業だから、将来小説家になりたいって目指すもんじゃない」
......という言葉があって、それを人生格言にしている。そういえばこれって「誰もが15分は世界的な有名人になれる」に通じるものがあるな、と、ふと思い。
きっと、ウォーフォルの『何にもならない、なんでもないもの』という感覚が好きなんだろうな、と思い至る。
ただ『其処にあるなんでもないものを、唐突に日常から切り離してしまう行為』というのは、油絵の静物画と同じだろ? と、自分は思う。シルクスクリーンの印刷物だろうが絵具と筆で描いてようが、手法が違うだけという話だから、ウォーフォルがしていた事は別に特別な事じゃない。
特別じゃないから、好き。別に何でもないものだから、気になる。

「もしアンディー・ウォーホルのすべてを知りたいのならば、僕の絵と映画と僕の表面だけを見てくれればいい。其処に僕はいる。裏側には何もない。」
(If you want to know all about Andy Warhol, just look at the surface of my paintings and films and me, and there I am. There’s nothing behind it.)

自分はどうしても文系の人間で、絵心がなくて、絵を見ても当時の作者の背景とか、絵筆の運び方や選んだ色や筆跡を元に無駄に深読みして、泥沼に嵌って結局抜け出せなくなる性格をしている自覚がある。そういう見方しか出来ない。
だから「裏を見たって何にもないよ」と言って、答えをくれる事がとてもありがたい。鑑賞せずに何にも考えずに『眺め』てていいんだよ、って言われてるような気がして、肩の力が抜ける。
本人がそういったのだから、真正面から彼の作品を見た時感じたものがすべてだと、直感が間違っていないと、そう思わせてくれるのが好きなんだと、一つ答えが出た。

だから自分の「どうしてウォーフォルのキャンベル缶が好きなの?」という問いに対しては、「なんとなく可愛いからだよ」というのが正しい答えかな、なんて思っている。

という訳で調子に乗ってミュージアムショップでグッズをたくさん買ったら、合計2万5千円超えました。ミュージアムはカード使えないのでキャッシュで買いましたよ......財布が空っぽになりました。
一番のお気に入りはキャンベル缶のコーヒーマグです。この色が! 堪らん!

美術館の後は執事喫茶に行きました。
池袋への道中、ルイヴィトン六本木ヒルズ店のショーウィンドウがチョコのパッケージみたいで素敵だったのが印象深い。
ちなみに執事喫茶はいずみかん氏が予約してくれました。感謝!
お店の前に来て「乙女ゲーのアムネシアに出てくる喫茶店みたいな構造だなぁ」と思いながら扉を見たら「スワロウテイル」の文字が。
......北の片田舎に住むワタクシでもネットで耳にした事のある有名店でした。二度びっくりしました。本当に、よく予約がとれたなぁと思います......。

店内に案内され「遠方からのご帰宅ですか?」と尋ねられ、ハイそうですと素直に返答したら、
「向こうはまだお寒いでしょう。はるばるお帰り頂いてありがとうございます」と声をかけてもらって、なんかもう、あの、帰りの飛行機乗りたくないって思いました。
食事は、お腹を空かせた二人で軽食を注文しました。パスタもケーキもおいしかった。
そして、店内の調度品がまた素晴らしい。ティーポットはお店のオリジナルのようでしたが、カップはきちんとしたブランド品。自分のカップは青の花模様で清楚な感じ。いずみかん氏のは飲み口が金縁のピンクの薔薇で華やかでした。
ふわふわした気持ちで浮世から一歩外の世界へいざなわれたような、そんな素敵な時間でした。ありがとうございました。

その後はカラオケ店でいずみかん氏のP4G販促ステルさないマーケティング講座を受けました。
普段ペルソナ関連のお話は、リアルはおろかネットでもあまり話す機会に恵まれなかったので、こんなに集中して話したのももしかしたら初なのでは......?
ステルさないマーケティング恐るべしというかやっぱりP4Gやりたいなぁって思いました。移植しないかなPS3に......。
いずみかん氏との語らいは、一創作者・一クリエイターとしての立ち位置や価値観がほんの少し分かったような気がして、有意義な時間でした。コミュレベル上がったと思う(※ただし一方的)。
いずみかんセンセイ原稿とモデリング頑張ってください。まじで。

余談ですが、
いずみかん氏「みそろくさんはBASARAでは他に好きなキャラっています?」
自分「うーん一番は三成なんですけど」
いずみかん氏「あ、それは知ってますw」
自分「ですよねww」
って会話が今更ながらじわじわ来てる。すっかり石田軍の雑兵に染まってますが元伊達軍ファンでした。今でも好き!
ちなみに自分は英雄外伝→アニメ・映画→宴→3→4の順番で出戻りしてから遡っているので、未だにBASARA界隈については浦島状態です。
そういえば新宿近辺を歩いていて「コンビニがローソンとファミマしかない! サイゼリヤが1kmも間隔を開けずに二軒も並んでいる!」って驚いてたら「其処で反応するの?!」って驚かれたなぁ。
どうでもいいですが地元のコンビニ大手はセイコーマートです。サイゼリヤは2回しか店に入った事ないです(昔は2回しか来店出来ないような場所にしか店がなかったともいう)。

それからは東京駅に戻って、ガンダムカフェでお土産を買った後、バスで空港まで行きました。
いずみかん氏が駅員さんや交番のお巡りさんに道を訊ね回って下さいました。その背中は頼もしく、まるでRPGの勇者のようでした。
夜の東京の街並みを車窓から眺めつつ、帰ったらちゃんとこの旅の事はまとめてブログに書こう......と決めました。

そして空港で、そういえば美味しいスイーツ的なお土産買ってない! ていうか父親のお土産買ってない! と気付いて空港をうろうろ。
東京ミルクチーズ工場というお店の苺ミルクロールケーキと、OGGIというお店のガトーショコラを買いました。
父親には苺を使った甘いものを買っておけばまず失敗はないだろう......という打算的なチョイスでした。自分も食べられるし。

帰りは最終便だったので、飛行機の中はビジネスマン風の方が多かったです。
その為か、ワゴンも何度も往復してて、おかげでコンソメスープを3杯おかわり出来ました。機内サービスのスープっておいしいですよね。
で、案の定舌を火傷して、冷たいお茶までもらいました。一人で何杯飲んでるんだ......。ちなみに火傷は治るまで3日かかりました。

行きの時より格段に重くなっている(主に図録の所為)キャリーをごろごろ転がして、無事家に辿り着きました。
お土産のお菓子は好評でした。
東京のスイーツは、入っている箱が気が利いてておしゃれだなぁと思います。保冷剤を入れる為の仕切りがわざわざ最初から組み込まれてて、なのに展開しても一枚の紙。これは地元の各社スイーツの箱にはない技巧だ、と感心しました。
お菓子の箱は本棚と引き出しの仕切りに再就職してます。








東京から帰ってきて二週間。漸く魂が戻ってきたような心地です。一週間は確実に肉体から離れて森美術館周辺を漂っていた気がする......。
思い返して、ウォーフォルは今や世界的有名アーティストとして美術史に名を刻んだけど、彼の言葉を借りるならそれは「誰でも有名になれる15分」の中に溶け込む事で、だから「永遠の15分」だったんだな。
......って、今更ながら森美術館の展覧会主題の意味が分かったりして、奥が深いなぁを思いました。まぁ、ウォーフォル曰く裏はないらしいけど。
もう一つ思ったのは、
「アートってなんだ、芸術って何だ。著作権の生じるものがアートか。本当にそうか?」って疑問を投げかけてくれるから好きなんだなって思いました。

次はサントリー美術館と国立新美術館と国立近代美術館と東京都美術館と上野美術館に行きたいです。......場所がバラバラだ!


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